後を継ぐもの

夕暮れの空に伸びる一本の道。道の先に希望を感じさせる風景に、「後を継ぐもの」というタイトルとサブメッセージが重ねられている。 管理人のよりみち日記
 「夕暮れに続く一本道 ― 継承の象徴として」

今日も気まぐれに書きます。ふと思ったこと――「後を継ぐもの」について。

皆さんには、子ども――つまり「あなたの後を継ぐ者」がいらっしゃいますか?

実は、私には子どもはいません。というか、そもそも妻もいないのです。

「えっ、生涯独身を貫いたのですか?」

いえいえ、そんな立派な思想を持っているわけではありません。よくある話ですが、いわゆる“バツイチ”なのです。

「あぁ〜」という声が聞こえてきそうですが……。

私の結婚と離婚の話

「どうして?」と聞きたくなる方も多いでしょう。実際、人の事情は気になるものですよね。私自身も基本的には人に聞かない派ですが、心の中では興味津々だったりします(笑)。

私は自分のことを話すのは嫌いではありません。こうしてブログを書いているくらいですから。むしろ、つい話が脱線していくタイプです。今もタイトルからすっかり迷子になっていますね。

さて、本題に戻りましょう。私が結婚したのは30代半ば。自分では「少し遅めかな」と思っていました。それまではあまり結婚に興味がなく、今どきの若者と同じような考え方をしていたように思います。

実は一度、結婚を真剣に考えた相手もいました。しかし当時の私は煮え切らず、不安に押しつぶされてしまったのです。

「男は外で働き、女は家庭を守る」――今となってはお恥ずかしい限りですが、そんな古いポリシーを持っていました。ところが、心の奥底では自分に自信がなく、「本当にこの人を一生養っていけるのだろうか」と不安ばかり。仕事に対する自信もなく、「嫌な仕事を我慢しながら続け、彼女を養っていくのか」と葛藤しているうちに、結局その縁は流れてしまいました。

その後、「もう結婚はいいかな」と思っていた時期に、ある女性と出会いました。彼女は押しが強く、付き合ってすぐに結婚を強く望んできたのです。その勢いに流されるように、私も結婚しました。当時は仕事も順調で、勢いに任せてしまった部分も大きかったと思います。

ただ、皆さんご想像のとおり――そのような結婚は長続きしませんでした。結末は言わずもがな、ですね。

このあたりの話は、また別の機会に詳しく書こうと思います。

子どもがいないという選択

そんなこんなで、今は独身生活を送っています。悠々自適といえば聞こえはいいですが、ふと「自分の子孫」について考えることがあります。

最近は遺伝子研究が進み、さまざまなことがわかるようになってきました。科学の進歩は本当にすごいですね。私にはついていけませんが、話を聞くだけでもワクワクします。

遺伝子は当然ながら子どもに受け継がれるもの。でも、私は子どもがいない。つまり私の血筋はここで途絶えるのか……そう思うと、妙に寂しさを覚えます。

別に、人に受け継ぐべき大したDNAを持っているわけではありません。ただ、もし自分の子どもがいたら、どんな人生を歩み、どんな考え方を持ったのだろう――そんなことを想像するとワクワクもするのです。

「結局、自分はひとりなんだな」と、今になって少し寂しく思うこともあります。でも、それも自分で選んだ道。子育ての苦労は経験していませんし、その分を税金で返している(つもり)です。

もちろん、代償として最後はひとりでこの世を去ることになるかもしれません。でも、それは独身であれ既婚であれ、同じことなのかもしれません。結婚して子どもを育て上げても、最終的には一人になる方も少なくないでしょう。結局、未来は誰にもわからない――まさに運命とはそういうものなのだと思います。

DNA以外に受け継がれるもの

ここでふと思いました。果たして“後を継ぐもの”とはDNAだけなのでしょうか?

料理人や大工は、師匠から技を受け継ぎます。先生と呼ばれる方々は、多くの生徒に考え方や思想を残します。会社を定年退職していく上司からは、仕事のノウハウを受け継ぐこともあります。

気づかないうちに、私たちは誰もがさまざまなものを受け継ぎ、また誰かに渡しているのです。

私のような独身のおじさんだって同じです。何かしら受け継いできたものがあり、きっとこの先、誰かに受け継がれるものもあるでしょう。そう考えれば、このように文章を書き残すことも「何かを継ぐ」ひとつの形かもしれません。

芸術家なら絵を、書家なら文字を、建築家なら建物を――人によって残すものの大小は違えど、全く何も残さず去る人などいないのではないでしょうか。

「立つ鳥跡を濁さず」とは言いますが、立ち去る鳥だって必ず何かを残しているはず。そう思うと、少し気持ちが軽くなります。

大層な“後を継ぐもの”でなくとも、必ず誰かが何かを引き継ぐ。それは間違いありません。だからこそ、これからはインプットだけでなく、少しずつアウトプットもしていこうと思います。

見えない跡を継ぐものたちへ

この先、見ず知らずのどこかにいるであろう“跡を継ぐものたち”に向けて、私は言葉を残していきます。それが血筋ではなくとも、必ず誰かの心に届くと信じて。

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